ぼくらの

ぼくらの 3 (IKKI COMIX)

　新刊が出たので購入。トラウマ系巨大ロボSFジュブナイル。１５人のお子様たちが巨大ロボに乗って敵さんと戦うんだけど実は負ければ地球滅亡、勝ってもパイロットは死ぬというルールでサア大変というお話。例えば「ハンター×ハンター」が少年漫画的予定調和を裏切る（例えば普通の漫画だったら絶対死なないキャラが、死ななそうなところでアッサリ死ぬとか）ことで面白さを生み出してるとすれば、この漫画は漫画的ルールをしっかり定めその中で予定調和を裏切りまくる面白さがあると思う。パイロットとなる少年少女のエピソードが語られる時はそいつが死ぬ時っていうキツさがあり、キャラによってはそのエピソードがこれまたキッツイものだったりするので、苦手な人は鬱になる。でも物語が進むごとにマンネリを生み出す足枷になりがちな設定を（現時点まででは）こうまでうまく生かしている漫画はなかなかないんじゃなかろか。
　あとこの人は各コマ、それらの繋ぎ方における間の使い方がうまいなあ。俺がこの漫画を初めて読んだのはIKKIにこの巻収録の第１５話が載ってた時なんだけど、その白さと不穏な空気感に惹かれて単行本買うようになったし。コエムシが出てくる辺りにそういう異様さがうまく表されてると思う。