赤犬vsあぶらだこ

 というわけで、代官山UNITにて東の変態と西の変態がぶつかり合ったわけですが。では以下にレポ。
 開場前に会場に到着。整理番号はかなり後だったがすぐ入れる。この時間に来るのはさすがに早すぎましたね(笑)。んでビール飲んでダラダラ。UNITは3フロアあって、俺らはライヴスペースにしか行ってないのだけど、ここすごくステージの雰囲気とかがクアトロに似てるな。結構びっくりした。開演15分前辺りからどんどん混んでくる。チケット売り切れただけあって結構な人手。正直暑かった。
 んで7時過ぎに客電が落ち、ゲストのenvyが始まるかと思いきや、メンバーらしき人らが機材をいじくり回してて一向に始まる気配がない。どうやら機材がトラブッているようで。暑い中汗をだくだくかきながら待つ間、いらいらが募る。実際始まったのは40分後くらいかな?
 で、envyですが。先に謝っておきます、もしファンの方見てたらゴメンナサイ。以下で結構ボロクソ言います。なんつうかなあ、演奏もソツないし音作りもバランスよくてうまいんだけどさ、ここまで意外性のない音楽を聴いたのは久しぶりだったよ。モグワイにちょっとハードコアな要素を加えた音だったんだけど、静かな空間系アルペジオから始まって轟音&叫び、っていうような曲がほとんど。しかもそのフレージング、コード進行なども全てお約束過ぎる雰囲気で、本来こういう音楽好きなはずなのに全く無感覚のまま観てた。他の原因はリズムかなあ?こういう音楽のリズムはスリリングであって欲しいなあと。全体的に張り詰めた雰囲気が希薄なのは痛い。つうわけで、予定調和に終わったらつまんない類の音が予定調和で終わってしまったというような印象っした。
 30〜40分ほどでenvyが終わり、その後はあぶらだこ。や、これはすごかった。まず何より巧過ぎ。キングクリムゾンの「21世紀の精神異常者」の何度もブレイクが入る間奏部みたいな曲をあんだけ弾きこなす時点でびっくりなわけだけど。ギターの人はどうやらサムピックを使って弾いているみたいだが、それであんなにスピーディで滑らかなピッキングが出来るとは…。んでボーカルはボーカルで、無表情で棒立ちのまま痙攣してるようなメロディを歌う(?)のがとにかく印象的だった。こういうスタイルすごく好き。全体としては脳みその中を散らかされてるようなサウンドで、ちょっとこれは音源も聴いてみたいなあと思った。ポストロックの中のカテゴリーにマスロックっつうのがあるけど、この人たちはとっくの昔からそれを先取りしたような、でもそれと並べても未だに異質な音をやってたんだなあ。色んな意味ですごいっす。
 で、MCゼロのなにやらシリアスな2バンドの演奏を終えて、赤犬ですよ。会場の雰囲気が一転して一気にアホムードに。パーカッションのグラサン赤タイツ兄さんのオシャレMCを終え、演奏開始。で、フロントマン4人がステージ脇から入ってくるんだが、全員幽霊だとかグリコのマークだとかの仮装をしてて大笑い。ああ、やっぱすごいわこの人たち(笑)。曲もスカだのケルトだのパンクだのなんだのをぶ込みまくった音でもうアガるアガる。途中でアイドル歌謡みたいな曲もあったし(そして歌うボーカルの衣装はスクール水着)。その4人は途中で何度も衣装換えをして、その度にヒドイ格好で(笑)、しまいには白ブリーフ…。その白ブリの時はもうラストの曲で、例のU.N.C.O.の歌だったわけですけど(笑)。見目麗しきお洒落さんな女の子が何百人も「ウ○コが好きです〜」と振り付きで叫びまくるのを見て、この国は正直狂ってると思いましたよ。や、めちゃめちゃ楽しかったっす。やっぱりライヴで観なきゃね。
 そして代官山から渋谷まで歩いて帰る。帰り道でふみひと君がウ○コウ○コずっと歌っていた。いたく気に入ったようで何よりです(笑)。