やさしいからだ 第3巻

やさしいからだ 3 (ビームコミックス)

やさしいからだ 3 (ビームコミックス)

 最終巻。ようやく出ましたよ。なんつうかな、3巻通して、ずっと軸がブレなかった作品だと思う。これで連載デビューってんだから実力あるなあと。絵は多少ブレがあったけど(笑)。
 俺がこの作品を好きな理由の一つは、身体とコミュニケーションが主題の一つになっているからということがあると思う。最近自分の中で、身体感覚・手触りとリアリティ・実感の関係だとか、ノンヴァーバルコミュニケーションと(相手の)理解だとかが結構重要なテーマになってきているっぽいのだけど、この作品からは身体を通じたグロテスクな「気付き」の感覚が伝わってきて、どうにも心から離れない。体と体の接触というコミュニケーションの、痛みを伴うがよりコアに触れる強烈さ。前も書いたかもしれんがレベッカ・ブラウン「体の贈り物」を思い出す(あれはこの作品ほど不穏じゃないけど)。