聴き入ってしまってはBGMにならないのだけど

Violator

Violator

 デペッシュ・モードの90年に出たアルバム。言うなれば暗黒エレポップなのだけど、エレポップと言われて思い浮かぶような仰々しいシンセの音とかスッカスカなビートなどとは無縁。上モノもリズムも、分厚くない打ち込みを逆にうまく活かしてる、物凄く端正な作品でございます。音の重ね方が、足し算ではなく引き算で考えられているというような印象。それに、デイヴ・ガーンの声が渋い色っぽさがあってまたいいんす。曲もかなりクオリティ高いし、名作です。
 そういえばSylvain Chauveauが彼らの曲のカバーだけで作られたアルバムをこないだリリースしてたな。試聴した限りでは、彼らの曲を室内楽的に再現していて、かつシルヴァン自身のヴォーカルがこれまたかなり味があり、単なるカバーで片付けられないステキすぎるアルバムだったっす。欲しいなあ。
Down to the Bone

Down to the Bone

Gotta Let This Hen Out

Gotta Let This Hen Out

 ロビン・ヒッチコック&エジプシャンズのライヴ+α(かな?)を収録したアルバム。買って以来あんまし聴いていなかったけど、何となく引っ張り出して聴いてみたら、いやあ、よいっすね。「ブラック・シー」あたりのXTCを彷彿とさせる、ちとひねくれてるけどメロディアスなロック。今のミュージシャンで言うと、ウィリー・ワイズリーの「she」なんかを連想するなあ。
 絲山秋子はこの人のファンらしく、しばらく前の群像(ロックがらみの特集だったっけね)で対談してた気がする。彼女の作品は読んだことないけど、一体どんな話をしているんだろう。