最近買ったもの

HATS

HATS

 超絶マイペースバンド、ブルー・ナイルの2nd。AORが禅寺に閉じ込められたような音です。夜にどうぞ。
ノウイング・ユー・アー・ボーン

ノウイング・ユー・アー・ボーン

 ブリストル発不思議バンドの2nd。ジャズ、ロック、民族音楽、クラシック、そしてその他の何かの間をすり抜ける音楽。スライムのようにうねうねと変化する、即興性の高い演奏が思いっ切りツボです。
NEW AGE OF EARTH

NEW AGE OF EARTH

 ドイツの雄、マニュエル・ゲッチングのソロユニット(に結果的になってしまった)、アシュラの代表作。浮遊感を覚えさせる音楽は数あれど、ここまで浮遊感以外のものをそぎ落とし、それだけを膨らませたような印象を抱かせる音は今まであまり聴いたことがありませんでした。気持ちいいです。
Weightlifting (W/Dvd) (Dlx)

Weightlifting (W/Dvd) (Dlx)

 ギターポップ界の物陰で静かに良作を発表し続けるトラキャンの最新作。DVD付きだけどまだ観てません…。今までより素直なポップになったような印象です。タイトル曲は珠玉の名作。フジロック観たかった…。
Duck Rock

Duck Rock

 ピストルズの仕掛け人として悪名高いマルコムさんが思い余って(?)発表したソロアルバム。83年作にもかかわらずヒップホップやらワールドミュージックやらが混ぜこぜで、何気に斬新な作品なんですが、このどうにもぬぐいがたい胡散臭さは何なんでしょう(笑)。そこがいいんですが。

唐突に

 復活させてみる。ご無沙汰しております。
 仕事を始め、色々なものを買うお金は増えましたが、その分買ったものをじっくりと味わい、自分の中に浸透させる時間は減りました。もちろん、色々と刺激を受けた作品はあります。ですが、現実(というか仕事)の流れが速い分、触れたものもそのまま流れ去ってしまっている気がしていました。その流れに杭を打ち立てて、印象を繋ぎ止めておくために、もう一度ここを使ってみようと思った次第です。
 ただ、前よりは簡単に済ませるつもりです。下手すると買ったものを淡々と記録するだけの日記になる可能性もあります(笑)。相変わらずいい加減に、その場の気分でやっていきますが、電車で隣に座った人のメモ帳を覗き見るような感じで生暖かく観察してもらえると幸いです。
 しかししばらく見ぬ間に編集画面も様変わりして何やら慣れません。

好きな漫画について

 これもちゃちゃっといきますね。SFが多いかも。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

 日本漫画界が誇れる一冊だと思います。これは本当に多くの人に読んでもらいたいなあ。
BLAME!(6) (アフタヌーンKC)

BLAME!(6) (アフタヌーンKC)

 漫画ってすげえなあ、と心底思わされた一作。
神戸在住(8) (アフタヌーンKC)

神戸在住(8) (アフタヌーンKC)

 最近はこればかり読んでいます。日常をドラマティックにせずとも描ける、これってなかなか出来ないことじゃないかと。
棒がいっぽん (Mag comics)

棒がいっぽん (Mag comics)

 何気ない顔して変幻自在。どことなく空気公団の山崎さん的な雰囲気を感じますがいかに。
風の谷のナウシカ 7

風の谷のナウシカ 7

 映画で止まってはいけません。
ヨコハマ買い出し紀行 11 (アフタヌーンKC)

ヨコハマ買い出し紀行 11 (アフタヌーンKC)

 時間と人間。この二つをこういう形で描くこと自体は斬新ではないけど、このテンポ、それが主題にしっかり絡んでいるところは斬新と言っていいかもしれません。とても好き。
ミルククローゼット 4 (アフタヌーンKC)

ミルククローゼット 4 (アフタヌーンKC)

 この作者さんの作る世界が纏うえぐみにはどうにも眼がいってしまいます。

好きな音楽について

 なんかこの辺はバトンとかで結構やった気もするので手短に。

SCUDELIA ELECTRO

SCUDELIA ELECTRO

 このアルバムを聴いた中2くらいから音楽にはまりだしたわけですが、いまだに素晴らしいと思います。まあこの時期に触れたものっていうのはどうにも個人的な色目が強くなってしまうのですが、自分にとってはポップアルバムの金字塔のひとつです。
Loveless

Loveless

 メタルに行きかけたときにこれを聴いたのが自分の音楽遍歴の大きな分岐点でした(笑)。音楽観変えられた一枚と言っても過言じゃないです。
Steve Mcqueen

Steve Mcqueen

 もう言うことないです。最高です。
ナッシング・ターンド・イットセルフ・インサイド・アウト

ナッシング・ターンド・イットセルフ・インサイド・アウト

 上に同じ。
ユリイカ

ユリイカ

 四の五の言わずにタイトル曲を聴いてくださいと。
ペット・サウンズ

ペット・サウンズ

 こいつを忘れちゃいかんね。
くうきこうだん

くうきこうだん

 この人たちの音楽には本当にお世話になりました。自分の人生の中で最も楽しかった時期のサウンドトラック。

好きな本について

 休止の挨拶の後にアップするというね。まあ最後の最後に、自分が好きなものについて少し書いて終わりにしようかと思います。とりあえず本から。

三つの小さな王国 (白水uブックス―海外小説の誘惑)

三つの小さな王国 (白水uブックス―海外小説の誘惑)

 小説の面白さを自分が自覚するように仕向けてくれたのは、やっぱりこの一冊だと思います。他ジャンル(アニメ、絵画)を小説(文字)で書く、という迂回をすることでその小説自体の特質を浮き彫りにし、その物語というもの自体も考察するこの作品集は、音楽や漫画に浸かっていた自分に、それらすべての表現媒体固有の面白さを気づかせてくれたんじゃないかと。恩すら感じますね(笑)。余談ですが、恩返しのつもりもあって卒論で扱ったものの正直あまりうまく言いたいことを言い切れなかった気もします。 ユーモアとペーソス、冷たさと優しさ、捻くれと愚直さ、などなど、ヴォネガットの小説には自分の心にすっと切り込んでくる二項対立間の往復がぎゅっと詰まっていると思うのですが、その中でもこの一冊はプロローグから泣けました。彼の持つまなざしと筆使いには、ずっと憧れ続けると思います。
見えない都市 (河出文庫)

見えない都市 (河出文庫)

 さっき小説が云々って書きましたけど、その極地のひとつがこれかなあと。もうなんかごちゃごちゃ言うより読んだほうが早いと言いたいです(笑)。ヴォネガットの作品にも言えますが、ばかばかしさとか荒唐無稽という扉からしか辿り着けない地平は間違いなくあると思います。
万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

 自分と他人の間には絶対に壊せない壁があって、自分のとこからは陰になって見えない部分も腐るほどあるし、そのくせ致命的な物事は大体その壁の陰に隠れているようにも思うわけですが、そこでシニシズムに陥ってもしょうがないわけで。そんなことを考えている時に読んだこの一冊は、珍しく感情移入してしまう作品でした。「わからない」ことにどうやって対峙するのか、という問題が眼前に突きつけられた時の、主人公の愚かしさや諦めや再生などが、自分にはどうにも人間的に映ります。
城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

 先ほど書いたような壁の存在、ディスコミュニケーションなどについて、物語的に(ある意味ではストレートに)書くことに最も長けた作家はやっぱりこの人なんじゃないかなと。特にこの一冊は、コミュニケーションにおける思考の前提の根本的なズレが「城」という形をとり、それをめぐるやり取りを通して延々描かれる、絶望的に素敵過ぎる作品だと思います。同じく彼の手による「断食芸人」、もしくはメルヴィルの「バートルビィ」も自分は同様の読みをしてしまいます。そういう意味では、上の作品とは表裏のことを描いているようにも思えます。しっかしそう考えると、希望を描いた作品は絶望的なトーンで、絶望を描いた作品はユーモラスなのが面白いというか恐ろしいというか。
八月の光 (新潮文庫)

八月の光 (新潮文庫)

 どこから見ても味わえる作品、という印象です。深部に潜ればいくらでも深みにはまれるんですが、その表層部のテクストもどうしようもなく詩的で参りました。ちびちび読んでいる最中は、長大な散文詩を読んでいるような気分になったもんです。この作品は、リーナのおかげで最初と最後にガス抜きされてるのが個人的には好きですね(笑)。
蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

 彼女の作品はすべての境界がぐずぐずに溶けて崩れていく感覚がとても心地よいので好きです。特にこの文庫に収録されている3作は、その柔らかさ、異様な気配、静けさ、色気、その他諸々の点で太鼓判押したいくらいです。(時にはスイッチを入れてしまうことで、また時には読者が本を開いた時点で)異界に踏み込んでしまっているはずなのに、どうにも日常的だしどうにも粘膜的。